日本社会薬学会は、医薬品が持つ社会性、公共性を考慮し、医薬品を扱いまた使用する人々についての社会的課題、医薬品を必要な患者に届け安全に管理する制度、そして食品・化学製品・環境汚染物質など生命や健康に関連した物質についての課題などを解決するための研究や活動を通して、人間の生命と健康の維持に寄与し社会に貢献することを目的としています。これらの研究や活動の成果を会員だけでなく、広く多くの方に知っていただくために、年会を継続的に開催しています。平成26年度は、「第33年会」となり、9月14日(日)、15日(月)に、慶應義塾大学薬学部で開催する運びとなりました。
日本は、少子高齢社会が急速に進み、医療の軸は医療機関から施設・在宅医療へとシフトし始めています。一方で、国民自らの健康の保持増進を基礎とし、軽い病気なら自分で手当てする「セルフメディケーション」が推進され、病気にならないための「予防」に力が注がれ始めています。一般用医薬品販売については、利便性を求める要件に答える形で、この6月からネット販売が解禁されます。ネット社会によるグローバル化の影響を受け、今後の医薬品販売の動向については目が離せない状況です。また、薬局等での自己血糖測定を可能とする告示が3月31日に発出され、さらに検体測定室に関するガイドラインが示されており、これに対応する、薬局・薬剤師の今後の活躍が期待されます。これからも制度改革、法改正などが相次ぐことが予想され、これに呼応するためには、これまでの調剤室にこもった薬局の業務だけではない取組が要求されます。
そこで、今回のメインテーマを「変革の時代に応える薬剤師〜すべては行動から始まる〜」としました。本年会のテーマの狙いは、「今まさに起きつつある社会の動きや影響を知り、薬の専門家として要求され、今、行動すべき課題」の共有化としています。問題を解決するためには自ら行動を起こすことが大切です。積極的に参加したくなるような年会にしたいと考えていますので、皆様のご参加をよろしくお願い申し上げます。
日本社会薬学会第33年会
年会長 福島紀子
慶應義塾大学薬学部社会薬学講座